Something Orange

オタクのオタクによるオタクのためのウェブサイト

『転スラ』や『葬送のフリーレン』を本当に「ファンタジー」と呼ぶべきなのかどうか考えてみた。

こんなツイートを見かけたので、ちょっと言及してみた。 そういえば、どうせ魔法も神も居るファンタジー異世界なら、そもそも大地が丸くないとか、宇宙とそこに浮かぶ惑星上じゃないとか、そういう異世界を見たい気もするんだけど、近年のRPGとかそれ風世界…

アニメファンはアニメから何を学ぶことができるのか。

よくいわれることだが、ここ数年、Twitterなどのソーシャルメディアにおける言論の過激化が凄まじい勢いで加熱しているように見える。 Twitterなんていつでもそういうものだろ、と思われるかもしれないが、10年前はたしかにもう少し落ち着いた場所だったはず…

上野千鶴子はなぜウクライナの女性たちを見捨てたのか。「思想のつじつま合わせ」が生身の人間を踏みにじるとき。

フリージャーナリストの志葉玲氏がこのような記事を書いている。 ウクライナ侵攻が始まって以来、いわゆるリベラル/左派とされる知識人やメディアの中から、過剰にロシアを擁護したり、侵攻による被害国であるウクライナを批判したり、一刻も早い停戦のため…

甘え? 言い訳? 開き直り? 「プラスサイズ」を肯定するボディポジティブとは何なのか。

ボディポジティブという言葉があります。 ここ10年ほどで「美の基準」は大きく変化している。雑誌の表紙や広告で見かけるのは、さまざまな肌の色、体型、人種、ときに性別さえも問わないモデルたち。多様性を受け入れ、排他的にならず個を尊重するマインドは…

将棋漫画は現実に負けたのか? 「現実がフィクションに勝った」というフィクション。

羽海野チカさんによる傑作将棋マンガ『3月のライオン』のひさしぶりの最新巻にあたる第17巻を読み終えた。 3月のライオン 17 (ヤングアニマルコミックス) 作者:羽海野チカ 白泉社 Amazon まあ、もともと『ヤングアニマル』の連載ですべて読んではいたのだけ…

アニメ、アイドル、パパ活。オタクと少女幻想で成り立つ「ロリコン社会」は狂っているのか。

【狭くて深いロリータ・コンプレックスの世界。】 【ロリコン天国ニッポン?】 【日本は「ペドフィリア傾向社会」なのか?】 【「子供」概念の発見と「ロマンティック・チャイルド」。】 【光源氏はロリコンではない。】 【少女買春の背景にあるものとは。】…

京極夏彦『鵼の碑』刊行を控えて「大人向けキャラクター小説」の再評価を希望する。

京極夏彦の『鵼の碑』がいよいよ出るとか。 鵼の碑 (講談社ノベルス) 作者:京極 夏彦 講談社 Amazon 一方、ぼくは「小説家になろう」などいろいろ読んでいるのだが、あらためて大人向けのキャラクター小説を読みたいなあ、と思う近頃である。 ここでいう大人…

その執着はほんとうに愛ですか? なぜ女性向けポルノは「被虐」や「執着」にこだわるのか。

めちゃコミックで一気読みした『男友達が激甘カレシになりました』を読み返しています。ぼく、このマンガ、めっちゃ好きなんですよねー。 男友達が激甘カレシになりました (Only Lips comicsめちゃコミックオリジナル) 作者:御徒町鳩 大誠社 Amazon いわゆる…

子供部屋おじさんですが、お国と社会のために家を出て結婚して子供をつくる予定はまったくありません。

『ぼっち・ざ・ろっく!』の最新巻のついでに『子ども部屋おじさんの彼と一緒に住みたい私の100日間戦争』というコミックエッセイを読んでみた。 ぼっち・ざ・ろっく! 6巻 (まんがタイムKRコミックス) 作者:はまじあき 芳文社 Amazon 子ども部屋おじさんの…

『アンパンマン』の聖なるカニバリズムと『銀河鉄道の夜』を超える「正義と自己犠牲」のあり方とは。

そうだ うれしいんだ生きるよろこびたとえ胸の傷がいたんでも 映画『それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ』を見ました。 映画 それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ 戸田恵子 Amazon 『アンパンマン』の映画を観るのは初めてです。テレビシ…

「生きている」とはどういうことか。人間という名の音楽に耳を澄ませる。

歯が痛かったこともあって、いままで欠かさず続けてきたブログを四日も休んでしまった。 痛恨である。いったん流れを止めてしまうとまた書きはじめることが億劫だったりする。 まあ、たった数日だけ休んだくらいではどうやって書いていたのか忘れてしまうと…

【無料】なぜ、ただのアニメやゲームが人を救うのか、宗教的に説明するよ。(続完全版)【長文】

第五章「物語は「神なるもの」をどう描いて来たか」 ①「SF小説に見る宗教性と反宗教性」 ②「科学合理性の魅惑と限界」 ③「後期クイーン問題と神」 ④「酸鼻と陰惨のゴシック・ホラー」 ⑤「ナルニアへ続く箪笥」 第六章「性と聖」 ①「推し活は「性的消費」なの…

【無料】なぜ、ただのアニメやゲームが人を救うのか、宗教的に説明するよ。(完全版)【長文】

それは、どこかで「聖なるもの」と繋がっているのか? それともまったく無関係な「俗なる文化」に過ぎないのか? 考えてみよう。 序文 序章 第一章「オタク・スピリチュアリティとは何か?」 ①「オタク文化と宗教のアフィニティ」 ②「アイロニカルに没入する…

『推しの子』の「洗練された気持ち悪さ」は生成AIを凌駕するか。

どこか「気持ち悪い」ことこそが「気持ち良い」のはなぜなのだろう? 『進撃の巨人』や『推しの子』を題材に考えてみた。 【ハイパーポルノの時代】 【いつか動画は「個人用」になる】 【だれもが王さまになれるときが来る?】 【AIは「決定的な意外性」を演…

第1話は「無料」。荒木飛呂彦最新作『ザ・ジョジョランズ』第1巻発売! 新たなる「スタンド」の世界とはッ!!!

「スタンド」、それは「大いなる力」なのか? それとも「秘められた知恵」を意味するのか? いま、ここに「第九の冒険」が幕をひらく。 【『ザ・ジョジョランズ(The JOJOLands)』始動ッ!】 【その名は「ジョディオ」!】 【「保守化」の兆し、なし!】 【…

「同人AV」と「小説家になろう」で考える「アマチュアクリエイターの時代の成功法則」とはなにか。

【本文】 えむゆみカップルの著書『エロ2.0 「月収4000万円」Pornhuberが実践した「欲望を共有する」最速ファンマーケティング』を読み上げた。めちゃくちゃ面白かった。 エロ2.0 「月収4000万円」Pornhuberが実践した「欲望を共有する」最速ファンマーケテ…

待望の2巻はいまだ出ず。打ち切りの噂も。水野良『ロードス島戦記 誓約の宝冠』をネタバレ解説!

この記事をお読みの皆さんのなかには、ファンタジーが好きな方が少なくないものと思われます。 それでは、日本におけるファンタジー小説最初期の作品である『ロードス島戦記』をお読みの方はどのくらいいらっしゃるでしょうか? 『ロードス島戦記』の第一巻…

性欲から自己実現まで「小説家になろう」作品の魅力をマズローの5段階欲求説で解説してみた。

アニメ化してちょっと話題になった『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』(タイトル長いよ……)の漫画版を読んだ。 真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフす…

それでも野比のび太は自分を赦す。昭和の名作『ドラえもん』の自己肯定思想を令和の視点で読み解いてみた。

もちろんあなたもそうだろうと思うが、『ドラえもん』が好きだ。 映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ) ドラえもん/水田わさび Amazon 未来からやって来たネコ型ロボットのドラえもんと「ダメ人間」の野比のび太少年を中心に全1300話を…

オススメ暗黒耽美蔵書50作を挙げてみる。

ぼくが好きな暗黒耽美系(?)の愛読書をリストアップしてみました。 中身は雑多としかいいようがなく、読み終えていないものもあるし、ひとによっては「これのどこが耽美だ」と思うものも混ざっていると思う。 何しろCLAMPの『ちょびっツ』が混ざっていたり…

オタクは女の子になりたがっている? 「ポスト性同一性障害男子」は「政治的に正しい自慰」の夢を見るか。

『萌えの研究』を書いた大泉実成(id:oizumi-m)はそれに続く『オタクとは何か?』の第12回で次のように書いている。 オタクとは何か? 作者:大泉 実成 草思社 Amazon 僕は前作の『萌えの研究』の中で、どうしても理解できない作品として『マリア様がみてる…

『バービー』はなぜ殺される? シニカルでマニアックなカルト的映画が世界中で大ヒットした理由を考える。

先日、世界的大ヒットの映画『バービー』が少し遅れて日本でも公開されました。 これが賛否両論の大問題作で、漫画家の奥浩哉さんの感想ツイートを巡って早くも炎上事件が起きたりしています。 映画、バービー観た。最初の方はお洒落だし可愛いし笑いながら…

セカイ系とSFはどう違っているのか? 『ほしのこえ』から『ガンダム』まで方法論を読み解く。

「セカイ系」とは何なのか、たとえば「SF小説」とはどう違っているのか? その問いから始めて、『エヴァ』や『ガンダム』から『攻殻機動隊』、あるいは『進撃の巨人』といった傑作アニメに共通する「ワールドビルディング」という方法論を見ていきたい。 【…

『バービー』の監督の前作は結婚幻想をざくざく切り裂くフェミニズム・テーマの傑作映画だ。

映画『バービー』が話題になっているので(ぼくもすぐに見に行く予定)、同じ監督の前作『ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語』を見たときの感想を転載しておきます。ネタバレです。 『バービー』も評判が良いけれど、こちらも傑作なので、未…

死ぬ、死ぬ、っていう奴に限って、必ず、自殺する。

声をなくして 作者:永沢 光雄 晶文社 Amazon 永沢光雄という人物をご存知だろうか。しばらく前にガンで亡くなったプロインタビュアーである。さまざまな人生を送るアダルトビデオ女優たちに取材した『AV女優』は名著の誉れも高く、いまも評価は高い。 その永…

「好きなもの」があるオタクは成熟社会の「勝ち組」である。それではオタクになれない人はどうすれば良いのか?

「忍… 忍…オレはずっと不思議だった どうしてこの世は「持つ者」と 「持たざる者」に分かれるのか どうして「愛される者」と 「愛されない者」が在るのか 誰がそれを分けたのか どこが分かれ道だったのか ――そもそも 分かれ道などあったのか? 生まれた時に…

読者交流スペースとしてワンコインサロンを作ってみました。

以前から読者の方と交流する(&いろいろなネタを教えてもらう)場所を作りたいなあと思っていたのですが、あまりヘンな人が迷い込んで来て消耗させられるのも困るなということで迷っておりました。 で、そういう人を排除して楽しい空間を維持するため、YOOR…

それでも戦士たちは戦場へおもむく。夏コミの本を宣伝します!

殺人的な酷暑のなか、夏コミが近づいてまいりました。……いや無理だろ、どう考えても。と思ってしまいますが、それでも戦士たちは戦場へ惹きつけられる。 今回も数知れぬ者たちがエロ本やら評論本やらを売買するため「聖地」へおもむくようです。いや、ほんと…

わたしたちは差別者としてしか生きられない。ルッキズムの否定は人間の否定である。

以前、映画『劇場版SHIROBAKO』について「女性描写の多様性が欠けている」ことを批判的に指摘するツイートが話題になったことがありました。 ある意味で一面的、あるいは表面的な指摘とも見え、非難囂々だったのですが、ぼくは、じつはこれはなかなか面白い…

なぜ規制派オタクは同じオタクを見下すのか。その「異常」な同族嫌悪の理由をわかりやすく説明するよ。

「上の世代のオタク差別意識が異常に感じる」という匿名記事が以前、話題になった。 上の世代と言っても私も今年30歳になったばかりなんだけど、はてなとかツイッター見てると40~60代と思しき人のオタク差別意識見るとビックリする。 オタクを人間扱…