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2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

家族と支持者を裏切って不倫したスキャンダル政治家に支援は必要か?

先日、「表現の自由を守る」ことを公約に活動してきたことで知られる山田太郎議員が不倫を働いたと報道された。 いわゆる「パパ活」買春だったといわれているが、本人はいまのころその点に限っては否定しているようだ。真実はわからない。ただ、いずれにしろ…

つまらない人生を充実させるために「コスパ」も「マウント」も「好きなもの」もいらない。

いま、『ビッグコミックスピリッツ』で連載されている『路傍のフジイ』というマンガが面白くて、続けて読んでいる。 まさに本日、第一巻が発売されるのでオススメである。 路傍のフジイ(1) (ビッグコミックス) 作者:鍋倉夫 小学館 Amazon べつだん、変わ…

「強い女」とはだれのことか。『ナウシカ』から『鬼滅の刃』まで「男性向け」コンテンツの女性像を考える。

このようなツイートを見かけた。 「強い女」概念、しばしば「わがまま」とか「男をいじめたりアゴでこき使う」になりがちで、まあある種の願望の発露なんだろうけど、「え~、君にとっての『強い』ってそういうことなんだ…」と思ってしまう。それってサル山…

『3月のライオン』完結間近の最新刊第17巻をネタバレ解説!

先日、羽海野チカの傑作マンガ『3月のライオン』最新刊となる第17巻が発売されました。 3月のライオン 17 (ヤングアニマルコミックス) 作者:羽海野チカ 白泉社 Amazon あとがきによると、連載も「ラストスパート」とのことで、内容的にもいっそう充実してい…

作者死亡後も連載は継続! 前巻最後のグリフィス登場とキャスカ復活からどうなる? 『ベルセルク』最新刊を追う!

先日、『ベルセルク』最新巻となる第42巻が発売された。いうまでもなく、作者である三浦健太郎死後の最初の『ベルセルク』だ。 ベルセルク 42 (ヤングアニマルコミックス) 作者:三浦建太郎,スタジオ我画,森恒二(監修) 白泉社 Amazon 三浦の死後も有志のス…

「じゃがいも警察」にも「異世界文字警察」にも負けないファンタジー世界のリアリティとは何か。

こんなツイートがあって、 アニメ薬屋のひとりごと なんでこんな馬鹿な表現やったんだろう pic.twitter.com/h8VfY0Es7S — ナトリ (@natori) 2023年10月25日 こういう言及がついて話題になっていた。 これね、物凄く難しい問題で、制作者も悩んだと思うの。だ…

ウクライナ戦争、ガザ紛争や台湾有事が現実問題となったいま、マンガは「異質な他者」をどう描くか?

いま、人類社会は「分断と対立の時代」を迎えているといわれている。 拡大する経済格差や、さまざまな政治思想、そしてそれぞれの立場における「正義」の対立が否応なく分断を生み、人々の距離を遠ざけているのだ。 ネットを見れば、だれもが自分の地位に不…

アニメ『PSYCHO-PASS』の「時系列」と「見る順番」は?

アニメ『PSYCHO-PASS』が面白い。 いまからおよそ100年後の未来を舞台に、「シビュラシステム」と呼ばれる人工知能による犯罪予期システムが完成した時代を描いている。 主人公たちは体制側に属する「シビュラの番人」だが、しだいにシステムに疑問を抱くよ…

SF小説はべつに衰退していないそうですよ。

先日、その当時の『SFマガジン』の編集長である今岡清さんが『ガンダム』ノベライズの掲載を断わった話を回想していて、それにその頃のいわゆる「『ガンダム』SF論争」が絡んでちょっと話題になった。 昔話16私は石頭なんだろう、SFマガジンにふさわしくない…

なぜフェミニストはいつのまにかオヤジに似ていき、そしてオタクはフェミに似ていくのか。

「この世には不思議なことなど何もないのだよ」とは、京極夏彦の百鬼夜行シリーズに登場する京極堂こと中善寺敦彦の決めゼリフだが、凡夫のわたしにはやはり不思議なことがある。 そのひとつが、ソーシャルメディアで活動しているフェミニスト、いわゆる「ツ…

『転スラ』、『リゼロ』、『薬屋』、『無職転生』などアニメ化人気作がずらり! 「小説家になろう」と「異世界転生」の魅力とは?

このようなツイートを読みました。 「異世界転生は必要か?」に対して ・現実の知識を持ち込みやすい・でも空想の世界なのでリアリティ警察に突っ込まれにくい・つまり書き手が書きやすい っていうのはわかったんだけど、逆に読む側の心理がよくわからない。…

最終回は打ち切り? 題名の理由は? 『さよなら私のクラマー』徹底解剖!

先日! 新川直司さんの最近作『さよなら私のクラマー』全14巻を一気に読み終えました。 さよなら私のクラマー(1) (月刊少年マガジンコミックス) 作者:新川直司 講談社 Amazon これが、面白い。この作品は新川さんがヒット作『四月は君の嘘』のまえに短期…

『葬送のフリーレン』最新刊まで「つまらない」と感じる人も楽しめる読み方。

来週のアズキアライアカデミアにそなえて『葬送のフリーレン』を読み返している。少年漫画って基本的に何かが欠けている主人公がそれを手に入れる「獲得の物語」のパターンだと思うのだけれど、『フリーレン』は失って初めて自分が欠けていることに気づく「…

初音ミク教は成り立つのか? 現代日本における「ハイパーリアルな宗教」の可能性を考えてみた。

このブログでもその主張を良く取り上げているジャーナリストの佐々木俊尚さんが「宗教とスピリチュアルは何が違うのだろうか?」というトークをアップしています。 佐々木さんの関心はよくわかるというか、ぼくもまさに同じテーマで考えているポイントなんで…

凡人が天才を破るにはどうすれば良いか。カメがウサギを追い越す方法。

この頃また「グレートネス・ギャップ」について考えている。 グレートネス・ギャップとは、「何か優れた才能にふれたときに彼我の差を思い知らされ意気消沈すること」を意味する言葉である。 意気消沈と書いたが、場合によってはそれは絶望そのものであるか…

あなたも『銀河英雄伝説』がわか(らなくな)る。登場人物のなか最強、ヤン・ウェンリーとは何者だったのか。

Twitterで以下のように呟いたところ、ちょっと反響があった。 でも「「厭世的で皮肉屋で怠惰に見えるが実はすごい才能をもっており、不本意ながら大活躍してしまい周囲にチヤホヤされる」キャラ」を作ってもヤン・ウェンリーにはならないんですよね。ヤンの…

「愛のないセックス」は自己肯定感を下げるか。

『セックス依存症になりました』の津原隆太さんがTwitterで以下のようなことをつぶやいていた。 立ちんぼや風俗で働いてる人たち。実はめちゃくちゃ根性ありますよ。そうじゃないと危険に身を晒してまで、好きでもない汚いおじさん、おじいちゃんにまで性的…

非情な国際政治の現場では虐殺をも強姦をも許容しなければならないのだろうか?

先日、ジャーナリストの佐々木俊尚さんがこのようなツイートを呟いていて、 どっちが善でどっちが悪かという二元論でなく、この議論が重要>「イスラエルにはイスラム組織ハマスの攻撃から自国を守る権利はあるが、自衛権の行使は国際法に従わなければならな…

『転スラ』や『葬送のフリーレン』を本当に「ファンタジー」と呼ぶべきなのかどうか考えてみた。

こんなツイートを見かけたので、ちょっと言及してみた。 そういえば、どうせ魔法も神も居るファンタジー異世界なら、そもそも大地が丸くないとか、宇宙とそこに浮かぶ惑星上じゃないとか、そういう異世界を見たい気もするんだけど、近年のRPGとかそれ風世界…

アニメファンはアニメから何を学ぶことができるのか。

よくいわれることだが、ここ数年、Twitterなどのソーシャルメディアにおける言論の過激化が凄まじい勢いで加熱しているように見える。 Twitterなんていつでもそういうものだろ、と思われるかもしれないが、10年前はたしかにもう少し落ち着いた場所だったはず…

上野千鶴子はなぜウクライナの女性たちを見捨てたのか。「思想のつじつま合わせ」が生身の人間を踏みにじるとき。

フリージャーナリストの志葉玲氏がこのような記事を書いている。 ウクライナ侵攻が始まって以来、いわゆるリベラル/左派とされる知識人やメディアの中から、過剰にロシアを擁護したり、侵攻による被害国であるウクライナを批判したり、一刻も早い停戦のため…