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映画

映画『ルックバック』論。あるいはなぜこのめちゃくちゃででたらめな世界で、なぜ「それでも」真摯に生きようとこころみるのか。

ルックバック (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:藤本タツキ 集英社 Amazon 初めに、退屈なほど自明の事実をひとつ。 『ファイアパンチ』、『チェンソーマン』などの長編で知られる漫画家藤本タツキが2021年に発表したマンガ『ルックバック』はまさに記憶に…

「怪獣」とは何か?

【ゴジラとコングと】 【怪獣とは「感情移入可能な脅威」】 【さいごに】 この記事はこちら()からはてなブックマークに登録できます。もし面白いと思われましたら何かしら言及していただけるととても嬉しいです。よろしくお願いします。それでは、記事へど…

Netflix版『シティハンター』は「生きることの猥雑と混沌」を全肯定する最新最高の新宿映画だ!

【暗黒をも頽廃をも受け入れる犯罪都市とその狩人】 【「ポリコレを無視した」わけではない】 【さいごに】 この記事はこちら()からはてなブックマークに登録できます。もし面白いと思われましたら何かしら言及していただけるととても嬉しいです。よろしく…

国のために死ねるか、人のために生きられるか。戦後右翼も左翼も超えてゴジラが平和と愛国を問い直す!

映画『ゴジラ-1.0』(以下『マイナスワン』)を批判する動画を見ました。 非常に面白い。 ある種の政治的観点からこの映画を批判する意見は当然、出て来ると思っていました。 単なる難癖に過ぎないような批判は無数にあるけれど、この動画はきわめてロジカ…

『葬送のフリーレン』最新刊まで「つまらない」と感じる人も楽しめる読み方。

来週のアズキアライアカデミアにそなえて『葬送のフリーレン』を読み返している。少年漫画って基本的に何かが欠けている主人公がそれを手に入れる「獲得の物語」のパターンだと思うのだけれど、『フリーレン』は失って初めて自分が欠けていることに気づく「…

【無料】なぜ、ただのアニメやゲームが人を救うのか、宗教的に説明するよ。(続完全版)【長文】

第五章「物語は「神なるもの」をどう描いて来たか」 ①「SF小説に見る宗教性と反宗教性」 ②「科学合理性の魅惑と限界」 ③「後期クイーン問題と神」 ④「酸鼻と陰惨のゴシック・ホラー」 ⑤「ナルニアへ続く箪笥」 第六章「性と聖」 ①「推し活は「性的消費」なの…

【無料】なぜ、ただのアニメやゲームが人を救うのか、宗教的に説明するよ。(完全版)【長文】

それは、どこかで「聖なるもの」と繋がっているのか? それともまったく無関係な「俗なる文化」に過ぎないのか? 考えてみよう。 序文 序章 第一章「オタク・スピリチュアリティとは何か?」 ①「オタク文化と宗教のアフィニティ」 ②「アイロニカルに没入する…

『バービー』はなぜ殺される? シニカルでマニアックなカルト的映画が世界中で大ヒットした理由を考える。

先日、世界的大ヒットの映画『バービー』が少し遅れて日本でも公開されました。 これが賛否両論の大問題作で、漫画家の奥浩哉さんの感想ツイートを巡って早くも炎上事件が起きたりしています。 映画、バービー観た。最初の方はお洒落だし可愛いし笑いながら…

セカイ系とSFはどう違っているのか? 『ほしのこえ』から『ガンダム』まで方法論を読み解く。

「セカイ系」とは何なのか、たとえば「SF小説」とはどう違っているのか? その問いから始めて、『エヴァ』や『ガンダム』から『攻殻機動隊』、あるいは『進撃の巨人』といった傑作アニメに共通する「ワールドビルディング」という方法論を見ていきたい。 【…

『バービー』の監督の前作は結婚幻想をざくざく切り裂くフェミニズム・テーマの傑作映画だ。

映画『バービー』が話題になっているので(ぼくもすぐに見に行く予定)、同じ監督の前作『ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語』を見たときの感想を転載しておきます。ネタバレです。 『バービー』も評判が良いけれど、こちらも傑作なので、未…