小説
こんなツイートがあって、 アニメ薬屋のひとりごと なんでこんな馬鹿な表現やったんだろう pic.twitter.com/h8VfY0Es7S — ナトリ (@natori) 2023年10月25日 こういう言及がついて話題になっていた。 これね、物凄く難しい問題で、制作者も悩んだと思うの。だ…
いま、人類社会は「分断と対立の時代」を迎えているといわれている。 拡大する経済格差や、さまざまな政治思想、そしてそれぞれの立場における「正義」の対立が否応なく分断を生み、人々の距離を遠ざけているのだ。 ネットを見れば、だれもが自分の地位に不…
先日、その当時の『SFマガジン』の編集長である今岡清さんが『ガンダム』ノベライズの掲載を断わった話を回想していて、それにその頃のいわゆる「『ガンダム』SF論争」が絡んでちょっと話題になった。 昔話16私は石頭なんだろう、SFマガジンにふさわしくない…
このようなツイートを読みました。 「異世界転生は必要か?」に対して ・現実の知識を持ち込みやすい・でも空想の世界なのでリアリティ警察に突っ込まれにくい・つまり書き手が書きやすい っていうのはわかったんだけど、逆に読む側の心理がよくわからない。…
来週のアズキアライアカデミアにそなえて『葬送のフリーレン』を読み返している。少年漫画って基本的に何かが欠けている主人公がそれを手に入れる「獲得の物語」のパターンだと思うのだけれど、『フリーレン』は失って初めて自分が欠けていることに気づく「…
Twitterで以下のように呟いたところ、ちょっと反響があった。 でも「「厭世的で皮肉屋で怠惰に見えるが実はすごい才能をもっており、不本意ながら大活躍してしまい周囲にチヤホヤされる」キャラ」を作ってもヤン・ウェンリーにはならないんですよね。ヤンの…
こんなツイートを見かけたので、ちょっと言及してみた。 そういえば、どうせ魔法も神も居るファンタジー異世界なら、そもそも大地が丸くないとか、宇宙とそこに浮かぶ惑星上じゃないとか、そういう異世界を見たい気もするんだけど、近年のRPGとかそれ風世界…
第五章「物語は「神なるもの」をどう描いて来たか」 ①「SF小説に見る宗教性と反宗教性」 ②「科学合理性の魅惑と限界」 ③「後期クイーン問題と神」 ④「酸鼻と陰惨のゴシック・ホラー」 ⑤「ナルニアへ続く箪笥」 第六章「性と聖」 ①「推し活は「性的消費」なの…
それは、どこかで「聖なるもの」と繋がっているのか? それともまったく無関係な「俗なる文化」に過ぎないのか? 考えてみよう。 序文 序章 第一章「オタク・スピリチュアリティとは何か?」 ①「オタク文化と宗教のアフィニティ」 ②「アイロニカルに没入する…
この記事をお読みの皆さんのなかには、ファンタジーが好きな方が少なくないものと思われます。 それでは、日本におけるファンタジー小説最初期の作品である『ロードス島戦記』をお読みの方はどのくらいいらっしゃるでしょうか? 『ロードス島戦記』の第一巻…
アニメ化してちょっと話題になった『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』(タイトル長いよ……)の漫画版を読んだ。 真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフす…
「セカイ系」とは何なのか、たとえば「SF小説」とはどう違っているのか? その問いから始めて、『エヴァ』や『ガンダム』から『攻殻機動隊』、あるいは『進撃の巨人』といった傑作アニメに共通する「ワールドビルディング」という方法論を見ていきたい。 【…
はじめに~『はめフラ』とはどのような物語なのか? 『はめフラ』の登場人物(キャラクター) 『はめフラ』アニメと漫画と原作の違い、及び各作品の内容と感想 テレビアニメ アニメ映画 漫画『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』 …
朝、何気なく青空文庫を眺めていたところ、谷崎潤一郎の「黄金の死」が収録されていたので読み返してみました。 美食倶楽部 ――谷崎潤一郎 大正作品集 (ちくま文庫) 作者:谷崎潤一郎 筑摩書房 Amazon 谷崎のほかの『春琴抄』だとか『痴人の愛』だとか『細雪』…
アルベール・カミュの実存主義文学の傑作といわれる『異邦人』は、「今日、ママンが死んだ。もしかしすると昨日かもしれないが、私にはわからない。」というショッキングな文章で始まる。 異邦人(新潮文庫) 作者:カミュ 新潮社 Amazon トルストイの『アン…
今日も今日とてTwitterを見ていたら(何、X? 知らないな)、なぜか水野良の『ロードス島戦記』がトレンド入りしていました。どうやらブックウォーカーでセールをやっているおかげらしい。 あるいはこのツイートが原因なのかもしれないけれど、よくわからな…
はじめに 『アルスラーン戦記』の結末 田中芳樹は「衰えた」のか? 読者のあるべき態度とは? 読者の評価を超えて 漫画版『アルスラーン戦記』はどこまで描いて完結するか? お仕事のお願い 自作の宣伝 はじめに 先日、作家・田中芳樹の大長編架空歴史小説『…
尾崎紅葉の『金色夜叉』を読みました。尾崎さんちの紅葉さん、いまとなってはほとんど読む人も少ない作家だけれど、明治時代には最大最高のベストセラー作家でした。 その代表作が『金色夜叉』。「ダイヤモンドに目がくらみ~」という一句を耳にしたことがあ…
アンデルセンの『人魚姫』についてはだれでもご存知なことだろう。賛否両論を呼んだディズニー映画『リトル・マーメイド』の原作である。 しかし、その『人魚姫』に世間では知られた悲劇的な結末の「続き」があることまで知っている人はどのくらいいるものだ…
深い眠りに落ちる 少し前の手前のまどろみの中に似た密やかな夜に探し続けてるのはあのメタフィジカ祈るように紡ぎだすひとつの歌 「語りえぬことについては、沈黙しなければならない」。 ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 シリーズ世界の思想 (角川選書) …
テレビアニメ『無職転生』の第二期を見ている。 第一期はハイレベルの作画と何とも「わかっている」演出で「小説家になろう」発の異世界転生もののなかでも傑作と名高かったが、この第二期も面白い。 いや、フィッツ先輩、最初から正体を明かしてしまうのね…