- はじめに~『はめフラ』とはどのような物語なのか?
- 『はめフラ』の登場人物(キャラクター)
- 『はめフラ』アニメと漫画と原作の違い、及び各作品の内容と感想
- テレビアニメ
- アニメ映画
- 漫画『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』
- 漫画『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 絶体絶命!破滅寸前編』
- 公式コミックアンソロジー
- ゲーム『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… ~波乱を呼ぶ海賊~』
- まとめ
- お仕事のお願い
- 電子書籍の宣伝
- おまけ
はじめに~『はめフラ』とはどのような物語なのか?
この記事は、通称『はめフラ』こと『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』を熱烈に愛好するぼくが、皆さんにこの作品の魅力を理解していただきたい一心でその内容を紹介するものとなっています。
主にキャラクターの紹介と本編の解説に分かれているので、好きなところから好きなように読んでみてください。あたりまえですが、読み飛ばすことも自由です。
さて、まずは『はめフラ』とは、どのような作品なのか? その点から解説していきましょう。
この物語は、山口悟さんが2014年7月に「小説家になろう」に投稿した一編の小説から始まっています。
https://ncode.syosetu.com/n5040ce/
「なろう」に記載されているあらすじはこんな感じ。
頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻した。私、カタリナ・クラエス公爵令嬢八歳。
高熱にうなされ、王子様の婚約者に決まり、ここが前世でやっていた乙女ゲームの世界であることに気付いた。
そして自分が主人公と攻略対象との恋路の邪魔をする悪役令嬢になってしまっていることに…
主人公がハッピーエンドを迎えれば身一つで国外追放、バッドエンドならば攻略対象に殺されるって…
…私にハッピーなエンドなくない!?バッドオンリーなんですけど!?
なんとか破滅エンドを回避して、穏やかな老後を迎えたい!!
典型的な「異世界転生もの」にして、「悪役令嬢もの」だといって良いでしょう。
異世界転生については説明は不要だと思います。
「悪役令嬢」とは、まさにこの作品のヒットによって一躍有名になるジャンルなのですが、少女漫画や乙女ゲームなどでヒロインをいじめる悪役の女性(たいていは大貴族の出身で、冷ややかな美女、しかし多くの場合は相手役の男性の心を得られず、ヒロインに負けて退場することになる)を主人公とした物語のことです。
この類型にはいろいろなパターンがありますが、『はめフラ』では、物語のなかの「悪役令嬢」に転生してしまったことを自覚した主人公は、その運命を回避しようと懸命に努力奮闘するになります。
ところが、生まれつきあまり賢くなく、そして一面で致命的に鈍いところがある彼女のやることなすことはいずれも的外れ。
ただ、彼女には生得の善良さ、太陽のような明るさと天才的な「人たらし」の才能があり、本来であれば敵対するはずの人々を意図せずして懐柔し魅了していくのでした。
そして、そのなかには乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の主人公マリアまでも入っていたのです……と、まあ、あらすじだけを話してもこの作品の魅力は正確には伝わらないでしょう。
『はめフラ』の魅力はひとえにカタリナの天衣無縫な人間性にあります。
大貴族の令嬢でありながら、食欲と労働意欲の命じるまま、好き勝手に行動してはトラブルを巻き起こす彼女はまさに「おもしれー女」。そのようすに初めはとまどう周りの人間も、しだいにその底抜けの明るさに魅入られていくのです。
最終的には男性も女性も含めた巨大な「カタリナハーレム」ができあがることになってしまいます。
押し寄せる「破滅フラグ」をどうにか回避しようとしながら、まわりの美男美女を籠絡しつづけるカタリナ、はたしていったい彼女はどこへたどり着くのでしょうか……?
『はめフラ』の登場人物(キャラクター)
ここからは、本編の中心人物たちについて解説していきたいと思います。
カタリナ・クラエス
本編の主人公です。『FORTUNE LOVER』においてはジオルドに首ったけで、マリアをさんざんいじめ抜く「悪役令嬢」なのですが、転生前の記憶を思い出すことによって自分が破滅へのルートを邁進していることを悟り、徹底的に生き方を変えることになります。
ちなみに前世は「野猿」とあだ名される本名不明の女の子。そのときは平凡な容貌だったようですが、転生したあとのカタリナはなかなかの美少女のよう。
ただし、本人はその点をまったく自覚しておらず、「悪役顔」であると認識しています。
この、カタリナの主観とまわりの人間の評価のギャップが、この作品のひとつの読みどころです。
前世の記憶を取り戻した後のカタリナはまさに転生の「人たらし」で、男であろうが女であろうが関係なく魅了していってしまいます。
彼女に関わる人間は一様にその善良さと陽性の性格、そしてなんともいえない「面白さ」に惹きつけられていくのです。
善良で明るいだけならふつうのヒロインといえるかもしれませんが、何とも「面白い」ところがカタリナの個性でしょう。
ちなみに恋愛面においてはてんで鈍感で、まわりの人々(男性に限らず)からの好意にまったく気づきません。もちろん、自分が好かれていることはわかっているのですが、恋愛対象として見られていることはまるで察せないようです。
はたして、カタリナと彼女を囲む面々の恋はどこに落ち着くのか。注目です。
マリア・キャンベル
温和な性格の金髪美少女。カタリナを取り囲む「ハーレム」のメンバーのひとりにして、乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の正式な主人公。
本来であればカタリナにいじめられながらもけなげに頑張り、ジオルドやアランなど男性陣の心を射止め、かれらと結ばれるキャラクターであるはずなのですが、カタリナが変わってしまったことによって運命はまったく違うストーリーを描き出しはじめます。
何しろ元々の物語の主人公であるくらいですから、平民の生まれであるものの魔法が使えるうえに、頭脳も優秀、性格は心優しく暖かいという、じつにハイスペックな女の子。
しかし、彼女もまた、辛い過去を抱えており、カタリナの奔放な性格によって救われることになります。
その後、彼女はカタリナを愛し、そのまわりで働きたいと考えるようになります。
趣味はクッキーを焼いてまわりに配ること。その料理の腕前はプロ顔負けのようです。
メアリ・ハント
「カタリナ・ハーレム」の女性メンバーのひとり。
ハーレムの少女たちのなかでも、最もつよくカタリナのことを崇拝しているように見えます。
いや、崇拝というか、ほぼほぼ恋愛状態ですね。いわゆる百合ものがお好きな方にとっては魅力的なキャラクターなのではないでしょうか。
王国の第四王子アランの婚約者であり、本来の物語ではかれに恋ごころを抱いて、マリアの(悪役ではない)ライバルとして活躍するはずだったのですが、カタリナと出逢ったことからやはりまったく違う性格の人間になってしまいます。
もともとは気弱で、自信なさげな性格だったものの、カタリナの言葉に救われてからは、すっかり人が変わり、明るくつよい魅力的な女性に変わりました。
しばしばカタリナを巡ってジオルドやキースト対立することも。
ていうか、あまりにも別人すぎじゃないですか。もとの可憐なあなたはどこへ行ってしまったのですか。まあ良いけど。なんだかんだで可愛い子ではあります。
ソフィア・アスカルト
マリアやメアリと同じく、カタリナを取り囲む女性陣のなかの一名で、伯爵家の令嬢。
生まれつき肌の色合いが白く、また髪まで真っ白という容姿の持ち主。いわゆるアルビノなのではないかと思われます。
彼女の両親や、兄であるニコルは心から彼女を愛し、その見た目についてもまったく気にしたそぶりを見せはしなかったものの、不幸なことに、その周りの人々が心ない言葉をかけ、ソフィアは傷ついていました。
その結果、自分の容姿を忌む社交界の人々の陰口を気にして、あまり外には出ないような引っ込み思案な子に育ってしまったのですが、例によってカタリナに暖かい言葉をかけられ、生まれ変わったように明るくなります。
彼女もまた当然のようにカタリナを熱愛しているのですが、ソフィアの場合、メアリとは異なり、兄とカタリナが結ばれることを望んでいるようです。
そうすればずっとカタリナといっしょにいられると考えているのでしょう。
ロマンス小説の熱烈な読者で、その趣味でカタリナとつながっている一面もあります。
キース・クラエス
カタリナの血のつながらない弟。幼い頃、クラエス公爵家に養子として引き取られてきた頃には、虐待された過去から暗い表情を隠さない哀れな子供だったものの、やはりカタリナが当然のごとくその破天荒な行動でかれの心の扉をぶち壊して仲良くなり、さらにはそのあふれんばかりの愛情を注いでさんざん可愛がったため、姉につよい恋愛感情を抱くようになりました。
ふだんから貴族の令嬢としては規格外の行動をくり返すカタリナに驚かされつづけていますが、彼女を愛する心は他の「ハーレム・メンバー」にも負けません。
カタリナを巡ってジオルドとしばしば対決するのですが、そのようすはカタリナの目にはほほえましいものと映っています。じっさいには恋愛関係における最大のライバル同士なのですが……。
もっとも、カタリナのことを除けば、そこまでジオルドを嫌っているわけでもないのかもしれません。本来の物語では、女たらしに成長する予定だったのに、いまでは姉ひと筋のもよう。
ジオルド・スティアート
カタリナの幼い頃からの婚約者にして、金髪の美貌を誇る王国の第三王子。
すべてのことにおいて完璧ともいえる能力をもち、その存在はほとんど何もしないでいても弟アランにコンプレックスを抱かせるほどでした。
ただし、かれは一面ではそのような自分と自分の人生につよい倦怠感を抱いてもいたのです。
しかし、カタリナと出会い、その強烈な個性に魅入られてからは、その性格は大きく変わります。
何かと彼女をデートに誘ってキースと対立したり、カタリナにプレゼントを贈って周りに警戒されたりと、退屈する暇もない生活を送るようになったようす。良かったね、ジオルド。
一見すると冷静で知的な少年のように見えるものの、じつはカタリナのことになると見境がつかなくなってしまう一面を抱えたメンヘラ野郎でもあります。
『FORTUNE LOVER』においてはカタリナを国外追放に追い込む役割で、そのため、その記憶をもつ彼女からつよく警戒されていました。というか、そうとうに話が進んでもまだ警戒しているようすです。
あるとき、カタリナにその想いを伝えようとしますが……。
アラン・スティアート
ジオルドの弟にして、王国の第四王子。
幼年期はからだが弱く、そのため、ジオルドとは離されて育てられたよう。
冷たい美貌に秀でた頭脳、あらゆる面において優れた能力と、一見すると完璧とも見える兄に対し強いコンプレックスを抱き、その結果、きわめて自己評価が低い少年だったものの、カタリナと出逢い、人それぞれに長所と短所があることを学んだ結果、その劣等感から解放されます。
そもそも野性的でオレ様なかれは、ジオルドとはまったくタイプが違うので、比べても意味がないはずなのですが、人はどうしても他人と自分を引き比べてしまうものなのですね。
非常に優れたピアニストとしての才能を持ち、その一点においてはジオルドをすら上回っています。
また、自分の恋ごころを明確に自覚し、カタリナに対し積極的にアプローチを続けるジオルドに対し、アランはその点に関してはごく鈍く、自身がカタリナに惹かれていることをまったく気づいていません。
まあ、その点はメアリがこれ以上ライバルが増えないよう、気づかないように仕向けているという事情もあるのですが。哀れな奴……。
ニコル・アスカルト
宰相であるアスカルト伯爵の令息。ソフィアの兄。妹を溺愛するシスコン野郎でもあります。
カタリナを取り囲む美形ぞろいの面々のなかでも、ひときわ凄まじい美貌の持ち主で、かれと対面した人間は、老若男女を問わず、ただまっすぐに視線を向けられただけで、あっさりと気を失ってしまったりするようです。まさに「魔性」。
ただ、本人の性格はそのような容姿に似合わず、ごくおとなしく無口で、ちょっとコミュ障ぎみですらあるかも。
カタリナに想いを抱いていることは他の面々と変わらないものの、かれの場合はジオルドに遠慮してなかなかその気持ちを伝えることができずにいるようです。ニコル、不憫な子!
自分の感情を表に出すことが苦手で、いつもだいたい無表情です。しかし、そのような内向的な性格だからこそ、だれよりも一途にカタリナのことを恋しているのかもしれません。
妹から見ると、いかにも奥手過ぎる兄であるように思われているのかもしれませんが……。
その他
以上、いわゆる「ハーレム」の面々に限って紹介してみましたが、『はめフラ』には当然ながら他にもいろいろなキャラクターたちが紹介します。
たとえば、カタリナたちが通う学園の生徒会長であるラファエル・ウォルト、カタリナのメイドを務めるアン・シェリーなど。
かれらはもちろんそれぞれに異なった個性の持ち主ではあるのですが、みな、一様にカタリナを好いています。
どんだけまわりに愛されているんだ、カタリナ・クラエス。
ただ、もちろんそれだけでは波乱万丈の物語が成立しないので、「悪役」も何人か出てきます。
それをいうならカタリナ自身が本来は「悪役令嬢」であるはずなのですが、この物語では彼女はその役割から解放されているので、もっと悪い奴らがたくさん出て来るのですね。
かれらの正体は最新巻でもまだよくわかっていませんが、何か悪い計略を練って活動しているようす。
はたしてカタリナは無事、かれらを退治し、破滅フラグも解決して、ハッピーエンドにたどり着けるのでしょうか? 気になるところです。
『はめフラ』アニメと漫画と原作の違い、及び各作品の内容と感想
小説『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった』第1巻
頭をぶつけて前世の記憶を取り戻したら、公爵令嬢に生まれ変わっていた私。え、待って! ここって前世でプレイした乙女ゲームの世界じゃない? しかも、私、ヒロインの邪魔をする悪役令嬢カタリナなんですけど!? 結末は国外追放か死亡の二択のみ!?破滅エンドを回避しようと、まずは王子様との円満婚約解消をめざすことにしたけれど……。悪役令嬢、美形だらけの逆ハーレムルートに突入する!? 恋愛フラグ立てまくりの破滅回避ラブコメディ★
すべてはここから始まった! 小説『はめフラ』の記念すべき第一巻です。
物語はカタリナの幼年期から幕を開けます。ただのわがままで自分勝手な女の子だった彼女が、前世の記憶を取り戻したことから、天然の「人たらし」に変貌。
その、あまりにも「おもしれー女」すぎる魅力を振りまいて、ジオルドやキースをたらしこんでいきます。
まずは子供の頃のカタリナの可愛らしさを楽しみましょう。まあ、やっていることは大人になってもまったく変わりませんが。
・小説『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』第2巻
乙女ゲームの悪役令嬢カタリナに転生した私。未来はバッドエンドのみ――って、そんなのあんまりじゃない!? 破滅フラグを折りまくり、ついに迎えた魔法学園入学。そこで出会ったヒロインのマリアちゃんの魅力にメロメロになった私は、予想外の展開に巻き込まれることになって――!? 破滅エンドを回避しようとしたら、攻略キャラたちとの恋愛フラグが立ちまくりました? 悪役令嬢の破滅回避ラブコメディ第2弾!!
学園に入ったカタリナは、そこで『FORTUNE LOVER』の主人公マリア・キャンベルと出逢い、あっというまに仲良くなってしまいます。人たらしというか女たらしというか。
しかし、順調に破滅フラグを回避しつづけていたはずの彼女に襲いかかるなぞの黒い影が、その正体は――? というわけで、カタリナは試練を乗り越え、ここで物語はいったん完結することになります。テレビアニメの第一期もここまでの物語になっていますね。
小説『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』第3巻
乙女ゲームの悪役令嬢カタリナに転生した私。魔法学園で待ち受けるバッドエンドを全力回避した結果、素敵な仲間が増えました! 最大の危機が去り、はじめて迎える学園祭で大はしゃぎしていた私は、調子にのった挙句、誘拐されてしまって――!? 破滅フラグを折った先で悪役令嬢を待っていたのは、新たな破滅フラグと恋愛イベントだった? 大人気破滅回避ラブコメディ第3弾は、新キャラ登場&オール書き下ろし!!
前巻で破滅フラグを回避し、全員仲良しエンドに到達した(と、自分では思い込んだ)カタリナ。
わが世の春を謳歌しているはずが、なぜか誘拐されてしまいます。しかし、その誘拐先で思わぬ歓待を受けて、気ままに過ごしてしまうことに。
そして、そこでも「人たらし」の魅力を発揮して、かかわった人物の人生を変えてしまうのでした。カタリナ、ほんとに恐ろしい子!
そして、恋愛面でもあらたな展開が。でもカタリナさん、自分の恋愛ごとは苦手みたいなんですよね。案外、そこが唯一にして最大の弱点なのかも。
・小説『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』第4巻
乙女ゲームの悪役令嬢カタリナに転生した私。乱立する破滅フラグを無事回避し、あとは魔法学園卒業を待つばかり――と安心していたら、突然自慢の義弟キースが行方不明に…!? 「あなたが迷惑ばかりかけたせいよ」とお母様に責められ大反省した私は、仲間たちとキース探しの旅に出ることにしたけれど――。男女問わず恋愛フラグ立てまくりの、悪役令嬢を取り巻く恋のバトルは大混戦中? 大人気★破滅回避ラブコメディ第4弾、オール書き下ろしで登場!!
この巻はキースの物語。幼い頃、クラエス家に引き取られ、カタリナと出逢い、過去を乗り越えて幸福を手に入れたはずのキースに、その過去が襲い掛かって来ることになります。
命の危機にさらされたかれは、愛するカタリナのもとへ戻ろうと懸命に戦うことになるのですが――。
一方のカタリナはキースがいなくなったのは自分のせいだと思い込み(思い込みの激しい性格!)、かれを探すのですが、ようやく見つけたとき、またひとつ発展があります。
キースくん、やるやん。さて、物語はどちらに転がるのか?
小説『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』第5巻
乙女ゲームの悪役令嬢カタリナに転生した私。破滅エンドを回避したはずが、なぜか最大の破滅フラグだったジオルド王子との婚約は継続中。「私、いつでも身を引きますから!」そう本人にも宣言しているのだけど……。ジオルド王子の婚約者の座を狙う令嬢が現れるライバル登場編、ニコルのお見合い編ほか、カタリナたちの日々や意外な人物にスポットをあてた過去編も収録。大人気★破滅回避コメディ第5弾はコミック大増量で登場!
ジオルドやキースたちから熱烈なアプローチを受けつづけているものの、本人はまったくそのことに気づいていないカタリナ。
ライトノベルの主人公としてあまりにも正しいともいえる鈍感主人公ぶりなのですが、はたして彼女が自分の恋愛と向き合うのはいつになるのでしょうか?
いったん恋ごころに気づいてしまったなら、もう「みんな仲良し」のままではいられない。人気者のモテキャラはそれはそれで大変なんだな、と思わせられますね。
小説『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』第6巻
乙女ゲームのバッドエンドしかない悪役令嬢カタリナに転生した私。魔法学園を無事卒業して破滅を完全回避!――したはずだったのに…。え? ゲームの続編が存在する!? しかも、続編ではパワーアップした出戻り悪役令嬢カタリナに前作よりも悲惨なバッドエンドが待っているの!? 次の舞台は魔法省って、私、魔法省に入ることになったんですけど!? 男女問わず恋愛フラグ立てまくり、悪役令嬢の破滅回避ラブコメディ第6弾登場★
ついに魔法学園を卒業し、破滅フラグに完全に打ち勝ったかと見えたカタリナ。
しかし、この世界の元になったゲームには、さらに続編があることが夢のなかで判明し、あらたな攻略キャラクター(いや、ゲームでは攻略しているのはマリアなのですが)が出て来ます。
いままでは学園ものでしたが、ここからカタリナは就職して、「魔法省編」とでもいうべきエピソードが始まります。たくさんの新キャラたちが出て来て、かなりにぎやかです。
・小説『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』第7巻
乙女ゲームの悪役令嬢カタリナに転生し、なんとか破滅エンドを回避した私。職場の魔法省では周囲との関係も良好、闇の使い魔ポチをかわいがる日々を満喫!――していたけれど、魔法省が舞台のゲーム続編では闇の力を手に入れた出戻り令嬢カタリナに、悲惨な未来が待っていたはずで…あれ? 今の状況ってまずくない!? そんな中、古の魔法に関係する契約の書を探すことになってしまい!? 大人気破滅回避ラブコメディ、第7弾登場★
ここら辺からカタリナが「闇の力」を手に入れていろいろと成長?していきます。
いや、カタリナの性格的に、闇属性って最も縁遠いものであるようにしか思えないのだけれど、どうしてこう運命的に「闇」に引きつけられていくのでしょうか。
元のゲームがそうだったからなのか、それとも何かほかに理由があるのか。いまさら破滅フラグも何もないとは思いますが、カタリナ本人はかなり心配しているようです。
・小説『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』第8巻
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私。魔法省を舞台にしたゲーム続編で、出戻り令嬢カタリナは闇の力を手に入れて破滅する!ーーそう知って全力でバッドエンドを回避するつもりだったのに、気付けば闇の使い魔ポチに続き、闇の契約の書の所有者に!? 破滅回避方法不明のまま、王宮で開催される他国との交流会に参加することになってしまい…!? あれ? これってゲームのイベントじゃないわよね? 大人気破滅回避ラブコメディ、第8弾登場★
この巻ではさらにあらたな「攻略キャラ」が登場します。
しかし、それよりも注目するべきはジオルドでしょう。生まれつき秀抜な才能を持ち合わせ、すべてのことに退屈している子供だったかれは、自分の予想をことごとく斜め上に上回って来るカタリナと巡り会ったことから、新しい自分へと生まれ変わります。
そのかれが、どれだけカタリナのことを真剣に想っているのかわかる話で、ちょっとジオルドの好感度が上がります。可愛いとこあるじゃん、みたいな。
小説『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』第9巻
乙女ゲームの悪役令嬢カタリナに転生した私。魔法学園を卒業し魔法省で地道に働きはじめたはずが、最悪な未来が待つゲーム続編は進行中!? 回避方法がわからないまま、子供の誘拐事件の捜査のため、港街の食堂で給仕係として働くことになったのだけど…。任務では攻略対象のソラとマリアとの3人行動で、2人のお邪魔虫的立場に――って、ゲームの悪役と同じ立ち位置では!? これってまずくない!? 大人気破滅回避ラブコメディ★第9弾!!
第9巻まで来てもカタリナはまだ破滅フラグのことを気にしているようです。しかし、どういうわけか闇の魔力にかかわることを着々と攻略してしまい、より「悪役令嬢」に近づいていくことに。いや、まわりはまったくそんなふうには観ていないんですけれどね。
ここまで来ると周囲もカタリナが何か秘密を抱えていることに気づいているとは思うのですが、かれらはそこに深入りするつもりはないようです。みんな、いい子だなあ。おじさん、感動しちゃうよ。
小説『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』第10巻
乙女ゲームの悪役令嬢カタリナに転生した私には、ゲーム続編でも破滅の運命しかなかった!? 来るべき対決の時に逃げられるよう、闇の魔法の訓練もがんばることにしたら、新たな闇アイテムを手に入れることに…。あれ? なんだか私、悪役としてスキルアップしてない? そんな中、魔法省の上司で、攻略対象のサイラスのマリアへの恋心を応援していたら、新たなイベントも発生して――!? 大人気破滅回避ラブコメディ★第10弾!!
ついに大台の第10巻。
本来の物語では、主人公の立ち位置にいるはずだったマリアは、カタリナと出逢ったことから運命がねじ曲がってしまったわけですが、やはり強烈な主人公力があって、まわりにモテまくっています。
この巻あたりでは彼女の恋もフォーカスされるのですが、本人はもう一生、カタリナの近くにいるつもりのようですね。彼女に恋をしている男性たちの不憫さよ。
きっとメアリもソフィアも男なんて眼中にないんだろうなあ。どうしてこうなった。
小説『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』第11巻
乙女ゲームの悪役令嬢カタリナに転生した私。新たな破滅対策もしているのに、ゲーム続編と同じ<闇の魔法の悪役セット>を次々と手に入れて――って、装備だけは完璧な悪役になってない!? ジオルド王子との結婚の話も再浮上し、私は今まで無意識に避けてきた感情と向き合うことに。そんなある日、マリアの育った村で、彼女を慕う攻略対象のデューイの家族と会うことになって!? 大人気破滅回避ラブコメディ★第11弾!!
さて、この記事を書いている2022年1月現在では、この第11巻が最新刊ということになります。
いままで恋愛フラグをあちこちで立てまくってはそれを無視しつづけてきたカタリナは、いや本人は無視しているつもりすらないのですが、とにかくまあ、ジオルドやキースたちの気持ちに向き合います。
はたして彼女はどのような決断を下すことになるのでしょうか。
ここから先の物語も楽しみなのですが、なかなか続きが出ない。いつまででも待つので、何とかしてほしいものです。
テレビアニメ
『はめフラ』はいまのところ、二度にわたってテレビアニメシリーズ化されています。これがかなり出来が良く、非常に楽しく見れる作品に仕上がっているのですね。
じつはぼくはこのアニメのほうから入ってハマってしまい、原作を買いあさって読み耽り、いまこうして紹介記事を延々と書き綴っているというしだいなのです。
アニメ第一期は、基本的に原作の第一巻と第二巻のストーリーを消化しています。
当然ながらというか、尺の都合があってかなりはしょり気味になってしまっていますが、カタリナと愉快な仲間たちの魅力は十分に伝わってくる内容になっていると思います。
はっきりいってオススメなので、未見の方はぜひ見てみてください。「神作画」というわけではありませんが、楽しい作品ですよ。
ちなみに、アニメにはいくらかオリジナルエピソードも挿入されていて、原作ファンでも新鮮に楽しめる作りになっています。
アニメ第二期は「X」と題されています。内容的には第一期のストレートな続編で、主に原作の第3巻とか第4巻あたりのストーリーが映像化されていますね。
キースが誘拐されたり、カタリナたちが旅をしたり、ジオルドがついにカタリナにその想いを告げたり(そしてその内容を忘れられたり)、とファーストシーズンにも増して多彩な内容になっています。
この調子で第三期も作られると良いなあ。さすがにムリだろうか。うーん。
そのほかには、まあ、スタッフもキャストも前作とほぼ変わっていないので特に述べることはないのですが、あえていうなら、カタリナ役の声優・内田真礼さんの演技が素晴らしいですね。
ぼくは声優さんにはあまりくわしくないので、どこがどう優れているのか具体的に指摘することはむずかしいのですが、あかるく、あたたかく、そしてちょっとどこか抜けているカタリナの魅力がパーフェクトに表現されていると思います。
もう、この声以外のカタリナは考えられない! シンプルに感嘆するばかりです。
アニメ映画
まだ公開時期や具体的な内容は一切不明であるものの、『はめフラ』は二度にわたるテレビシリーズを経て映画化が決まっています。
もちろん、ぼくも見に行きたいと思っていますが、問題は地元で劇場公開してくれるかどうか。全国数館での公開とかだったら嫌だなあ。
さらに内容が明かされたら、そしてまた映画が公開されたら、この箇所に情報を追記しますので、乞うご期待です。
情報が公開されました。2023年12月8日(金)公開だそうです。楽しみですね!
漫画『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』
『はめフラ』はその人気を考えれば当然のことながら、漫画化もされています。
作画を務めるのは小説のほうでイラストを担当しているひだかなみさんで、したがって「原作とイメージが違う!」といったことは一切ありません。
ひだかさんはこれまであまり漫画を描いて来なかったようですが、どうしてどうして、漫画もよくできています。
ただ、メディアの性質上、小説と比べると一長一短ではあるかもしれません。漫画では小説のような長々とした心理描写はむずかしいですからね。
そのかわり、物語は非常にスムーズに進む印象です。また、ストーリーは基本的に原作小説をそのままになぞっていて、そこから逸脱することがないので、安心して見ていられます。
2022年1月現在、7巻までが刊行されています。
漫画『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 絶体絶命!破滅寸前編』
『はめフラ』の漫画版は、原作をそのままに再現した正編のほかにも、「絶体絶命!破滅寸前編」と題したifのストーリーが存在しています。いわゆる「スピンオフ」ですね。
全3巻できれいに完結しているので、ここから入るのも「あり」ではあるかもしれませんが、まあ、本編のファンくらいしか読まないでしょうね。
内容的には、カタリナが記憶を取り戻すのが本編よりもっと遅れていたらどうなったか?というような「破滅寸前」の設定になっています。
いやまあ、どうなるか?とはいっても、あまりどうにもならないんですけれどね。カタリナはいったん目覚めてしまったなら無敵なので。
ただ、本編とはまた一風変わってシチュエーションが楽しめることはたしか。ひとつの番外編としてお奨めの出来です。
公式コミックアンソロジー
『はめフラ』は、その人気のために、公式コミックアンソロジーの類が何冊か出ています。ぼくも一、二冊、買って読んでみましたが、まあ、ふつうかな?というくらいの内容。
ふつうのアンソロジーと違うのは、男性向けのような、女性向けのような内容であることでしょうか。
いや、基本的には女性向けだと思うのだけれど、男性が読んでも楽しめる内容になっていると思う。この間口の広さが、この作品の魅力のひとつなのではないでしょうか。
ゲーム『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… ~波乱を呼ぶ海賊~』
『はめフラ』は、その人気を証明するかのように、多彩なメディア展開が続いていて、ゲームにもなっています。
スマートフォンで遊ぶ、いわゆるソーシャルゲームの類も出ているようですが、ぼくが注目しているのは2022年2月にNintendo Switchで発売される予定の作品「波乱を呼ぶ海賊」。
まだ発売前なので具体的な内容はわかりませんが、わりにストレートな「乙女ゲー」に仕上がっているように見えます。
そう、「乙女ゲー」の亜種ともいうべき『はめフラ』が、ついにほんとうに「乙女ゲー」になるときが来たのです! いやあ、楽しみ。
発売されたらプレイしてまた新たに記事を書くつもりなので、よろしくお願いします。わくわく。
(2023年8月9日注)無事、発売されたものを遊びました。面白かったです! どこかで記事を書こう。
まとめ
さて、じつに長々と、なんと数百行にもわたって書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。
これだけの長い文章を使って、ぼくがいいたいことはじつのところたったひとつです。『はめフラ』は面白い! 見よう! 読もう! これだけ。これに尽きる。
上記したように、『はめフラ』には複数のメディアにわたるいくつものシリーズがあるのですが、とりあえずどれでも良いので読んでみましょう。
ちょっといままで見たことがないような物語が幕を開けるはずです。いや、ほんとうに面白いですよ。
そういうわけで、カタリナ・クラエスのいっそうの活躍を祈りつつ、この記事を終わります。
でわ!
お仕事のお願い
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簡易なポートフォリオも作ってみました。こちらも参考になさっていただければ。
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ちなみに、Kindle Unlimitedに登録された本は「kindle unlimited検索」から検索することができます。めちゃくちゃ便利。
おまけ
さらに、世にも図々しいことに「Amazonほしい物リスト」を公開したので、もし良ければ投げ銭がわりにご利用ください。
それから、18禁の裏サイト「Something Orange Adult」がひっそり公開しています。男性向けから乙女向け、凌辱から純愛、百合からボーイズ・ラブまであつかうヘンタイ的なサイトにしたいと思っていますので、お好きな方はどうぞ。
でわでわ。