2023年7月– date –
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『人魚姫』の「ほんとうの結末」を知っていますか? ファンタジー小説から失われた魔法について。
アンデルセンの『人魚姫』についてはだれでもご存知なことだろう。賛否両論を呼んだディズニー映画『リトル・マーメイド』の原作である。 しかし、その『人魚姫』に世間では知られた悲劇的な結末の「続き」があることまで知っている人はどのくらいいる... -
どうすれば人類は戦争を克服できるのか? 空想的な平和主義が戦乱をもたらす。
「暴力」について考えてみたい。 というのも、幸村誠の歴史冒険マンガ『ヴィンランド・サガ』がクライマックスに到達しているからだ。 ヴィンランド・サガ(27) (アフタヌーンコミックス) 作者:幸村誠 講談社 Amazon 戦争を嫌い、平和を求めるこ... -
エンターテインメントは「神さま」をどう描いてきたか?
深い眠りに落ちる 少し前の手前のまどろみの中に似た密やかな夜に探し続けてるのはあのメタフィジカ祈るように紡ぎだすひとつの歌 「語りえぬことについては、沈黙しなければならない」。 ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 シリーズ世界の思想 (角... -
インターネットが人生を腐らせる。
先日の『情熱大陸』の一場面が話題になっている。 このテレビ番組は毎回、各界の著名人の「情熱的な」人生のひとコマを切り取って見せてくれるのだが、前回、取り上げられたのは人気テレビゲーム『ファイナルファンタジー16』の開発者・吉田直樹だった... -
もし、ヒトラーが濡れた子犬を拾っていたら。
話題の一冊『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』を読んでいる。 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか? (岩波ブックレット) 作者:小野寺 拓也,田野 大輔 岩波書店 Amazon 「ナチスは「良いこと」もした」という俗論を専門家の視点から批判的に... -
お仕事依頼のページ
はじめまして、Webライター/ブロガーの海燕(かいえん)と申します。 お仕事依頼のページをご覧いただきましてありがとうございます。 このページにはわたしのプロフィールや依頼の際の条件などをまとめました。参考にしていただければ幸いです。 ... -
実存主義文学としての『無職転生』、公正世界信念としての「ざまぁ」小説。
テレビアニメ『無職転生』の第二期を見ている。 第一期はハイレベルの作画と何とも「わかっている」演出で「小説家になろう」発の異世界転生もののなかでも傑作と名高かったが、この第二期も面白い。 いや、フィッツ先輩、最初から正体を明かしてし... -
なぜ、ただのアニメやゲームが人を救うのか、宗教的に説明するよ。
①「オタク文化と宗教のアフィニティ(親和性)」 たとえば、そう、何気なく眺めていた報道番組で、何の罪もない子供が亡くなる事件が放送されていたとき。ふと、何ともいえず哀しく、薄ら寒い気持ちにならないでしょうか。 その子は大人から虐待を受... -
「百合」を定義することは可能なのか?
ども、読み始めてくださり、ありがとうございます。 この記事は「百合ってよくわからない」とか「気になるけれど敷居が高い」、あるいは「興味はあるけれど具体的な内実がわからない」といった思いを抱えておられる方に向けて、「まあ、だいたいこのよ... -
あだち充『タッチ』を精読する。浅倉南はほんとうは何を考えていたのか。
浅倉南の話をしたい。 もちろん、あだち充の傑作漫画『タッチ』のヒロインである「南ちゃん」のことである。 タッチ 完全復刻版(1) (少年サンデーコミックス) 作者:あだち充 小学館 Amazon 彼女が少年漫画史上に残る重要なキャラクターであること...